お気に入りの楽譜/MIDIファイルを、Muro Boxで演奏できるようにする方法は?

Muro Box アレンジャー:劉虹吟

五線譜に慣れているユーザーは、MuseScore で MIDI ファイルを編集し、スマートオルゴール「Muro Box」で演奏させることができます。

お気に入りの楽譜/MIDIファイルを、Muro Boxで演奏できるようにする方法は?

Muro Box アレンジャー:劉虹吟

オルゴールで心の中にあるあの一曲を奏でたい」——それこそが、多くの方が Muro Box に出会ったきっかけではないでしょうか。

もし今、すでに「聴いてみたい曲」が手元にあるなら、実際に編曲を始める前に、もっと手軽な方法がいくつかあります:
まずはアプリの楽曲ライブラリで既存の曲があるか検索してみる、あるいは、プロのアレンジャーによるオーダーメイド編曲を依頼することも可能です。

しかし、もしあなたが「自分で編曲する楽しさを味わいたい」タイプで、五線譜の基本が読めるものの、複雑なDAW(パソコンの作曲ソフト)には頭を抱えてしまう…という方なら、この記事はまさに、あなたのための「究極ツールガイド」です。

これまでに「オルゴールで編曲のアイデアを広げる方法」を取り上げてきましたが、今回は最も直感的な表現方法、つまり五線譜に立ち返ります。本記事では、無料で使えるプロ仕様の楽譜作成ソフト「MuseScore」を使い、ネット上でダウンロードした五線譜やMIDIデータを、Muro Boxが完璧に演奏できる指示データへ変換する方法を紹介します。

成果をいち早く聴いてみよう!

まずは、こちらがネット上でダウンロードしたMIDIファイルを、本記事の手順に沿って調整し、オルゴールで演奏させた仕上がりをお聴きください!

MIDI は MuseScore の m.2002.p から編曲されたものです
https://musescore.com/user/29555794/scores/5624157

編曲に関するリソースをご共有いただいたお客様への特別な感謝

改めまして、お客様の Siegfried 様に心より感謝申し上げます。Siegfried 様は、Muro Box-N40 サブライム版オルゴールをご購入いただいただけでなく、数多くのクラシックな名曲を集め、ご自身で N40オルゴール版に編曲し、年配のお母様への贈り物として演奏を楽しまれてきました。

さらに、MuseScore を使った実践的な操作手順や感想、関連ウェブサイトのリソースまで、惜しみなく共有してくださいました。本記事では、それらの貴重な知見を取り入れ、以下のチュートリアル内容に反映しています。本当に熱心な Siegfried 様に心より感謝いたします。なんと、「できるだけお金をかけずに使うための操作ガイド」まで丁寧にまとめてくださっているのです!

もし Siegfried 様のオルゴール使用体験や、夢を形にして自分だけのオルゴールを開発し、私たちの製品開発やクラウドファンディングの初期サポーターになるに至った経緯に興味がある方は、ぜひこちらのブログ記事をご覧ください。

また、すでに MuseScore を長く使いこなしている方で、操作に関するアドバイスの共有や、内容の誤り・修正点にお気づきの場合は、どうぞお気軽に下記までご連絡ください:support@tevofy.com

動画でサクッと確認したい方はこちら!

操作の重要ポイントを短い動画にまとめました。設定の詳細をさらに知りたい方は、本記事のテキスト解説もあわせてご覧ください。

 

目次のリンクから各手順へ直接移動できます。

1. MuseScore をダウンロード:無料の楽譜作成ソフト

MuseScore とは?

五線譜に慣れている人にとって、MuseScore は現在、世界中で最も人気のある無料のオープンソース楽譜作成ツールです。MIDI と五線譜を相互に変換でき、慣れ親しんだ視覚的なインターフェース上で「楽譜の修正」を行うことができます。

ダウンロード前の節約ガイド:.org と .com を必ず確認

MuseScore .org と .com は異なるサイトであることに注意してください。前者は無料ソフトのダウンロード用、後者は楽譜や MIDI ファイルの提供用ですが、一部の楽譜は有料となっています。
MuseScore .org と .com は異なるサイトであることに注意してください。前者は無料ソフトのダウンロード用、後者は楽譜や MIDI ファイルの提供用ですが、一部の楽譜は有料となっています。
MuseScore .org と .com は異なるサイトであることに注意してください。前者は無料ソフトのダウンロード用、後者は楽譜や MIDI ファイルの提供用ですが、一部の楽譜は有料となっています。
MuseScore .org と .com は異なるサイトであることに注意してください。前者は無料ソフトのダウンロード用、後者は楽譜や MIDI ファイルの提供用ですが、一部の楽譜は有料となっています。

MuseScore をダウンロードする際、初心者が最も迷いやすいのが「2つのサイト」です。必ず次の点にご注意ください:

  • ソフトのダウンロードは musescore.org へ:こちらが完全無料のソフト本体です。
  • 楽譜を共有するコミュニティは musescore.com:こちらがユーザーが作品を投稿・共有しているプラットフォームです。
  • 節約のコツ:.com 側では、無料アカウントを登録すれば一部の楽譜をダウンロードできます。ただし、クレジットカードや銀行情報を絶対に入力しないでください。自動課金トラブルを避けるためにも要注意です。

 

2. MIDI ファイルをダウンロードする

本記事の操作例として、musescore.com からクラシック名曲「Salut d’amour(Edward Elgar作曲)」をダウンロードしました(https://musescore.com/user/29555794/scores/5624157)。

  • 補足メモ:Siegfried 氏は特に、プラットフォーム上のユーザー MTSM1 をおすすめしています。楽曲数が豊富で、五線譜の完成度も高いからです。
  • 記事の最後では、MIDI ファイルを入手できる他のおすすめサイトも紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

楽譜の著作権を確認する

1. 「ライセンス表示」欄を確認する

使用する楽譜のページを開いたら、ページを下へスクロールしてください。右側のサイドバー、または下部にある「スコア情報(Score info)」セクション内に、「ライセンス(License)」と表示された項目があります。

2. よくあるライセンスの種類

  • Public Domain(パブリックドメイン):原曲の著作権保護期間が終了しており、自由に使用できます。
  • Creative Commons(CCライセンス):
    CC-BY:原作者のクレジット表記が必要
    CC-BY-NC:商用利用不可
  • All Rights Reserved(すべての権利を留保):最も制限が厳しいライセンスで、通常は二次利用・改変・再配布が許可されていません。

3. 「編曲」に関する二重の著作権に注意

  • 原曲の著作権:例えば、この曲がある人気歌手のものであれば、原曲の著作権はレコード会社に帰属します。
  • 編曲者(アレンジャー)の著作権:この MIDI は、そのユーザーが「編曲」したものであり、その「編譜作品」に対する権利を持っています。

重要な注意点:

  • 音声ファイルや楽譜の改変・共有を行う前に、必ずご自身のお住まいの国および利用プラットフォームの著作権規定を確認し、それを最優先のガイドラインとして遵守してください。
  • 個人鑑賞用:個人のコレクションや家庭内で楽しむために制作する場合は、通常「私的使用(フェアユース)」の範囲内とみなされます。
  • 公開・商用利用:作品を動画に撮って YouTube や SNS にアップロードする場合、または何らかの形で商用販売を行う場合は、必ず関連する法的義務を厳格に遵守してください。

MuseScore サイトから MIDI 楽譜をダウンロードする

(1)楽譜ページの右側(または上部)にある、青色の「ダウンロード」ボタンをクリックします。

(2)すると、複数のファイル形式が表示されるポップアップが開きます。

(3)「MIDI」オプションをクリックしてください。もし「MusicXML」形式が利用可能な場合は、優先的にダウンロードすることをおすすめします。後の「譜面整理」や「音符の簡略化」をより直感的かつ効率的に行うことができます。

補足:本ガイドは、インターネット上のさまざまな音楽リソースを扱えるよう設計されています。MuseScore のネイティブ形式(.mscz)は編集に最適ですが、MIDI 形式は最も汎用性が高く、幅広く使われているため、本記事では操作例を MIDI に統一しています。

3. 実践操作:MIDI をオルゴール用フォーマットに調整する

MuseScore 楽譜作成ソフトの画面構成
MuseScore 楽譜作成ソフトの画面構成

1. MIDI ファイルを開く

上部メニューから「ファイル(File)」>「開く(Open)」を選択し、MIDI ファイルを開きます。

|もしMuro Boxをお持ちなら、ここにショートカットがあります|

💡 「早く習得したい」ユーザー向け:ダウンロードした MIDI ファイルがオルゴールでどんな風に鳴るか、すぐに確認したい場合、ショートカットがあります!運が良ければ、MIDI ファイルはほとんど調整しなくても十分に良い演奏になります。

まずは【Muro Box を接続して実際の演奏を試聴する】に進み、ハードウェア設定を行ってください。その後、【ステップ5:オクターブ調整】だけ実行すればOKです。オルゴールは高音が透き通る特性を持つため、メロディを全体的に1オクターブ上げるだけで、驚くほど印象が良くなることが多いです。

私は《Annie’s Song》を編曲した際、1オクターブ上げただけで前半部分はほぼ完璧な仕上がりになりました。後半はキーが上がるため微調整が必要でしたが、「シンプルな操作が大きな効果を生む」 好例だと感じています。

💡 「基礎からしっかり学びたい」初心者向け:初めて MuseScore を使う方は、ぜひこの記事を最初から最後まで順に進めてみてください。操作感覚を身につけておくことで、今後より複雑な楽曲に挑戦する際も、余裕をもって理想的な仕上がりを目指せます。

2. Cメジャー/aマイナーへ移調する

初心者の方には、まず楽譜を Cメジャー(ハ長調)または Aマイナー(イ短調)に移調することをおすすします。これにより、Muro Box の音域制限を回避し、これらのキーで音符を最大限に活用できるようになります。この操作を行うことで、楽譜上の多く(すべてではありませんが)のシャープ/フラット記号(#や♭)が消え、譜面がより読みやすくなります。

(1) Ctrl + A(Mac の場合は Cmd + A)で楽譜全体を選択します。

(2) 上部メニューの「ツール(Tools)」→「移調…(Transpose…)」をクリックします。

(3) ダイアログ内で「調性へ移調(To Key)」を選択し、C Major(ハ長調)または A Minor(イ短調)を選びます。

💡 N40 ユーザー・上級者向けガイド:なぜ「移調」を推奨するのか?

N40 は半音階を備えており、通常は多くの調性をそのまま演奏可能ですが、それでも C メジャー(ハ長調)への移調を優先的に推奨しています。その最大の理由は、低音配置の最適化にあります。

  • 戦略的な低音構成:N40 の低音域では、F#3、G#3、A#3、C#4 の四つの半音があえて省略されています。これは、限られた弁の数の中で、C メジャーでよく使われる根音(ルート音)の完全性を確保するための設計です。
  • 豊かな周波数配置:プロの編曲理論と同様に、低音は基音を安定させ、中音域は和音を支え、旋律は高音域を行き交います。Cメジャーに移調することで、ベースラインが N40 にあらかじめ設計された低音音階に正確に収まり、欠音による低音の途切れを防ぐことができます。

まとめると:移調は単に黒鍵を避けるためだけではなく、N40 の低音パフォーマンスを最適化し、全体的な響きをより豊かで滑らかにするための重要なステップです。

もちろん、原調のまま試聴するという選択も可能です。原曲のメロディがもともと高音域に集中しており、低音のベースにあまり依存しない楽曲であれば、この移調ステップを省略し、N40 の半音階の特性をそのまま活かすこともできます。

3. 「演奏楽器」を設定する

プラットフォームからダウンロードしたMIDIや楽譜は、すでに別の楽器用に編成されていることがあります。今回の例では、コントラバス(Contrabaixo)とピアノ(Piano)の二重奏として作成されており、MIDI ファイルにもそれぞれの楽器特性(音色や音域)が反映されています。そのため、まずはすべての楽器を音域が最も広いピアノに変更して調整を進めるのが、最も安全な方法だと考えています。

(1) 左側のサイドバーで、変更したい楽器名の右側にある「歯車アイコン」をクリックします。

(2) 新しい楽器を選択:表示されたメニューから「楽器を変更(Replace instrument)」をクリックし、検索して新しい楽器(Piano)を選びます。

(3) 変更を適用:「OK」をクリックすると、楽譜の名称、音色、音域制限が自動的に更新されます。

  • 大まかな編曲調整が終わった後、全体の試聴を行いたい場合は、他の楽器に変更して好みの雰囲気を確認することもできます。オルゴールに近い音色の「チェレスタ」への変更方法については後半で紹介しています。設定方法はここで説明した手順とほとんど同じで、選択する楽器が異なるだけです。

4. 「音域警告」を設定する

(1) 「譜表プロパティ」を開く
該当パートの冒頭にある楽器名を右クリックします。
表示されるメニューから「譜表/パートのプロパティ…(Staff/Part properties…)」を選択します。

(2) 音域制限の数値を設定する
表示されたウィンドウの右下に、2つの重要な項目があります:「プロフェッショナル音域(Professional range)」。
お持ちの機種に応じて、「最低音」と「最高音」に以下の数値を入力してください:

|Muro Box-N20(20音)音域|
  • 音域設定:C4〜A6
  • 補足:N20 は Cメジャーの全音階のみ対応しています。半音(黒鍵)が含まれていてもソフト上では赤表示されない場合がありますが、オルゴールでは演奏できません。
|Muro Box-N40(40音)音域|
  • 音域設定:F3〜C7
  • 補足:N40 はフルの半音階に対応しています。ただし、低音域の F#3、G#3、A#3、C#4 は(ソフト上では赤く表示されませんが)オルゴールでは演奏できません。この範囲内の音符であれば、基本的に演奏可能です。

(3) 下部の「移調(Transposition)」項目を確認する

  • インターバル(Interval):「完全1度(Perfect Unison)」に設定
  • オクターブ(Octave):「0」に設定

(4) 楽譜の「赤い警告」をチェックする
設定を完了して「OK」を押した後、楽譜ページに戻ってチェックしてください:

  • 黒い音符:Muro Box の演奏可能範囲内
  • 赤い音符:設定した音域を超えている

5. オクターブを調整する

まずは、楽譜全体を1〜2オクターブ上げてみて、赤い音符が大部分でなくなるか確認しましょう。赤い音符が少なくなれば、ほとんどの音が演奏可能な音域内に収まっていることを意味します。

(1) 全選択:Ctrl + A(Mac は Cmd + A) を押します。
楽譜全体が青くなれば、正しく選択されています。

(2) オクターブ移動

  • 1オクターブ上げる:Ctrl + ↑(Mac:Cmd + ↑)
  • 1オクターブ下げる:Ctrl + ↓(Mac:Cmd + ↓)

曲によっては、高音パートは1オクターブ、伴奏は2オクターブ上げたい…ということもあります。その場合は、パートごとに個別に調整が必要です。

|同じ行(同一パート)だけを選択する方法|

選択したい楽器(パート)を見つけてください。
(1) そのパートの最初の小節の「空白部分」をマウスでクリックします(音符をクリックしないようにご注意ください)。

(2) そのまま Shift + Ctrl + End(Mac:Shift + Cmd + End)を押します。

|楽譜全体から「同じ音」を一括選択する方法|

(1) 対象の音符を選択する:楽譜の中から選択したい音(例:F♯)を見つけます。

(2) 詳細選択を開く:

  • その音符を右クリックします。
  • 「選択(Select)」→「その他…(More…)」を選びます。

(3) フィルタ条件を設定する:

  • 表示されたウィンドウで「同じ音高(Same pitch)」にチェックを入れます。
  • 下部の範囲が「全スコア内(In score)」にチェックされていることを確認します。

(4) 「OK」をクリックすると、楽譜全体で該当する音符がすべて青く選択されます。

|視覚を最適化:低音部譜表から高音部譜表に変更する|

(1) 音部記号パネルを開く:左側のサイドバーから「音部記号(Clefs)」パネルを見つけます。

(2) 変更したい位置を選択:楽譜上で、音部記号を変更したい最初の小節をクリックします。

(3) ト音記号を適用する:

  • パネル内の「ト音記号(Treble Clef)」アイコンをクリックします。
  • もしくは、ト音記号のアイコンをその小節へドラッグします。

6. 初回試聴

楽譜上の赤い警告(音域オーバー)がほとんどなくなったら、ここで最初の試聴を行い、現在の音域バランスや聴こえ方を確認します。再生しながら、必要に応じて音符を微調整していきましょう。

以下の3つの方法をおすすめします:

  • ソフト内蔵音源で試聴
  • 「チェレスタ」音色に変更し、オルゴール演奏をシミュレーションして試聴する
  • Muro Box を接続して実際に試聴
|ソフト内蔵音源で試聴|

再生ボタンを押すだけで、MuseScore の内蔵音源による試聴が可能です。

|「チェレスタ」音色に変更し、オルゴール演奏をシミュレーションして試聴する|

MuseScore に内蔵されている 「チェレスタ(Celesta)」を使用します。これはオルゴールの特性に比較的近い楽器で、同じ打楽器系ですが、サスティンがほとんどない音の響きを再現しながら試聴できます。

  • 左側のツールバーに表示されているパート名(楽器名)を「チェレスタ(Celesta)」に変更することで、オルゴールに近いサウンドを再現できます。
  •  楽器をチェレスタ(Celesta)に変更した場合は、音域警告の設定ももう一度やり直す必要があります。

  • チェレスタは音域が非常に高いため、デフォルトでは五線譜のオクターブが「+1」に設定されていますが、今回は音色だけを借りているため、この高いオクターブ設定は不要です。「オクターブ(Octave)」は必ず「0」に設定してください。

|再生範囲を指定する方法|
  • 任意の音符をクリックして再生ボタンを押すと、その音から再生されます。
  • 特定のフレーズだけを試聴したい場合は、範囲を選択してから再生してください。

1つの譜表(1パート)のみを選択した場合、そのパートの音符だけが再生されます。

(1) 該当パートの最初の小節にある「空白部分」をマウスでクリックします(音符をクリックしないようにご注意ください)。

(2) キーボードで Shift + Ctrl + End(Mac:Shift + Cmd + End) を押します。

|Muro Box を接続して実際の演奏を試聴する|

すでに Muro Box オルゴールをお持ちの場合は、設定を行うことで直接オルゴールに接続できます。

(1) ハードウェア接続:
まず Muro Box をパソコンに接続してください。詳しい手順はこちらをご参照ください:
PC 編曲ソフトで Muro Box をリアルタイム演奏
【Mac:Bluetooth で Muro Box オルゴールに接続する

(2) 環境設定を開く:
● Mac:メニューから「MuseScore」>「Preferences…(環境設定)」をクリックします。

● Windows:メニューから「Edit(編集)」>「Preferences…(環境設定)」をクリックします。

(3) 出力デバイスを設定:
「I/O(入出力)」タブに切り替え、「MIDI Output(MIDI出力)」のプルダウンメニューから、お使いのデバイス名を選択します。

● オルゴールが演奏されている際は、パソコン側の音量をミュートにしてください。パソコンとオルゴールの音が同時に鳴ると、互いに干渉してしまいます。

7. 編曲の基本調整

この段階では、ほとんどの音符は演奏可能な範囲内に収まっているはずです。赤い音符が少数残っている場合は、個別に調整して演奏可能な音域に収める必要があります。

  • 高音 C7 に関する考え方
    例として、動画内のように最高音 C7 を超える赤い音符がある場合は、そのフレーズ全体を1オクターブ下げて試聴し、どちらが自然に聴こえるかを確認してみてください。代替音の選択については、以前ご紹介した代替音の使い方に関する記事も参考になります。

高音が全体の流れに大きく影響しない場合は、その音を削除するという選択肢もあります。

  • 低音 F#3(Gb3)、G#3(Ab3)、A#3(Bb3)、C#4(Db4)の対応
    低音域において、Muro Box が演奏できないこれらの4つの半音は、譜面上では赤く表示されないため、自分で確認する必要があります。私の場合は、これらの音を 1オクターブ上に移動し、原和音の特徴を保つ方法をよく使います。または、その音の和音内の長3度・完全5度・根音で代替することも可能です(下記の表をご参照ください)。最終的には、耳で聴いて自然かどうかを基準に判断してください。

試聴するときは、その音符の前後2〜3フレーズを通して再生すると、調整が全体の流れに合っているかを、より正確に判断できます。

8. 編曲の応用調整

|音域バランスの調整|

この工程はかなり主観的な部分になります。私はまず一般的な美的感覚として、高音・中音・低音ができるだけ均等に配置され、曲全体がより豊かで密度のある響きになることを意識して調整します。ここでは本楽曲を例に説明します。

今回の調整例では、曲の終盤付近において、前段階での音域調整の影響により、旋律と伴奏の音域が重なってしまう箇所がありました。そこで、この部分の旋律のみを1オクターブ上げ、低音はそのまま残すことで調整しています。調整前と調整後の効果を聴き比べると、その違いがはっきりわかります。

(1)

(2)

2番目の音源では、旋律をオクターブ上げることで、よりはっきりと聞こえるようになりました。

オルゴールの編曲は音域に制限があるため、一般的な楽器の譜面をそのまま改編すると、どうしても音が重なる箇所が出てきます。この場合は、旋律が聴き取りやすく、はっきりと識別できることを最優先に考えます。

オルゴールは打弦の強弱を制御できないため、主旋律と伴奏の区別を音量で際立たせることはできません。そのため、音高(ピッチ)が旋律を際立たせる最も重要な要素となります。

|オルゴールの演奏における物理的限界|
  • 高速旋律の表現(「異なる音階」の場合):旋律が跳ねるような音符(同音の連打ではない)で構成されている場合、Muro Box の演奏速度にはほぼ上限がありません
    • 反応時間:異なる音階の処理にはわずか 0.01 秒
    • 性能実証: ♩= 375 BPM の超高速で 1/64 拍(アプリの最小単位)を演奏しても、Muro Box は問題なく再生可能です。
    • 音楽表現:《熊蜂の飛行》(Flight of the Bumblebee) のような密集した半音階旋律も、音落ちを心配せず自由に作曲できます。
  • 同音連打の限界(「同じ音」の場合):機械的な櫛歯(弁)の弾き戻りには物理的な反発時間が必要なため、「同じ音」は 1 秒間に 5 回まで、つまり 1 分間に最大 300 回が連続演奏の上限となります。
    • 素早い判断の目安:楽曲のテンポが ♩ ≥ 75 BPM で、同じ音で 16 分音符を連続して演奏する場合、音落ちが発生する可能性があります。
    • 最適化のアドバイス:このような場合は、重複している音のうち旋律への影響が少ない方を削除することをおすすめします。これにより、曲全体の印象を損なうことなくスムーズに演奏できます。
  • 三連符の制限:現在、アプリによる三連符のサポートには限りがあります。原曲に複雑な三連符が多く含まれる場合は、編曲の際に慎重な調整をご検討ください。
旋律が「異なる音階」で構成されている場合、Muro Box の演奏速度にはほぼ上限がありません。 譜面に同音の16分音符が連続している箇所がある場合は、楽曲全体が♩ ≥ 75 BPM のとき、Muro Box の櫛歯(弁)が弾き戻る時間が足りず演奏できない可能性があります。その際は、旋律への影響が少ない重複音を削除して調整することをおすすめします。
旋律が「異なる音階」で構成されている場合、Muro Box の演奏速度にはほぼ上限がありません。 譜面に同音の16分音符が連続している箇所がある場合は、楽曲全体が♩ ≥ 75 BPM のとき、Muro Box の櫛歯(弁)が弾き戻る時間が足りず演奏できない可能性があります。その際は、旋律への影響が少ない重複音を削除して調整することをおすすめします。
|上級的な移調(主に N40 で発生)|

Cメジャーに移調して調整を終えた後、私はさらに別の調へ移調してみて、オルゴールで演奏できる音を最大限活かせるかを確認することがあります。また、低音・中音・高音のバランスも考慮します。しかし移調中は常にオルゴールの音域に合っているか確認する必要があります。

私が通常行うチェック方法は以下の通りです:

  • 旋律の最高音が音域内に収まっているかを確認
  • 伴奏が低音に偏りすぎず、高音も含まれているか確認。低音に集中するとオルゴールでは濁って聞こえやすいからです。
  • Cメジャー/aマイナー以外に移調した場合、重要な和音の最低音(ベース音)が N40 の低音で欠けている音に該当していないかを確認します。「同音選択」機能で該当箇所をチェックし、そのベース音を1オクターブ上げた場合に、違和感が大きくないかを試聴します。例えば、この曲をDメジャーに移調した場合、低音が削られすぎていないかを重点的に確認し、削減が多すぎる場合はその調は不適切と判断します。

一般的に、原曲の音域が比較的コンパクトな楽曲のほうが適しています。もともと音域の広い楽曲の場合は、一部を調整すると全体に影響が及ぶため、その都度取捨選択が必要になります。私自身、1曲の仕上がりのために3〜4種類の調を試し、上記のチェックをすべて行ったうえで、最終的に最適な調を見つけたこともあります。

9. MIDI ファイルをエクスポートする

編曲の調整がすべて完了し、試聴して問題ないと感じたら、いよいよ MIDIファイルをエクスポートして Muro Box App に取り込み、オルゴールでいつでも演奏できるようにしましょう!

  • 注1:Muro Box をパソコンに接続して演奏する場合は「リアルタイム演奏」のみとなり、演奏内容を Muro Box 本体に記録することはできません。この状態では、Muro Box は一般的な楽器と同様に「演奏デバイス」としての役割を果たすことになります。楽曲を Muro Box に保存するには、MIDI ファイルと専用アプリを使った操作が必要です。
  • 注2:MuseScore からエクスポートした MIDI ファイルは、現時点では Muro Box アプリ経由での演奏のみを推奨しています。USB メモリに保存して直接オルゴールで演奏する場合、ファイルが「シングル・トラック」形式に統合されていないために読み込めなかったり、譜面上の「テンポ変化」が正しく反映されなかったりする可能性があります。

(1) メニューから「ファイル (File)」→「エクスポート (Export)」を選択。

(2) フォーマットで「MIDI file」を選び、「Export」をクリック。

結び

見知らぬ MIDI ファイルをダウンロードし、MuseScore 上で一つ一つ「積み木を積むように」丁寧に整え、移調し、磨き上げていく作業は、単なるソフト操作の練習ではなく、心の中の旋律を実体ある共鳴へと変えていく旅です。決して簡単な道のりではありませんが、自分で整えた MIDI をオルゴールが奏でた瞬間、その達成感は何ものにも代えがたい、忘れられない体験になるはずです!

Muro Box の物理的な制限(音域や連打速度など)は、決して制約ではなく、「引き算の美学」を学ぶ機会なのです。限られた音階の中で、いかに純粋で心に響く演奏を生み出すか——ぜひ、あなた自身が再構築した一曲が、オルゴールの櫛歯の上で再び息を吹き返す瞬間を味わってみてください。「引き算の美学」をもっと深く知りたい方や、オルゴールに最適な編曲方法を学びたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください

その他の応用・活用ガイド

MIDI ファイルを Muro Box アプリにインポートする方法

(メールで MIDI ファイルを送信する場合の例)

リモート配信で Muro Box の MIDI 演奏を聴く

(1) 事前準備:Muro Box 公式サイトのライブ配信ページにアクセスしてください
推奨環境:スマホで App を操作し、パソコンまたはタブレットで配信映像を視聴するとスムーズです。

(2) App のダウンロード:App Store または Google Play で「Muro Box」を検索し、ダウンロードしてください。

(3) ログイン操作:
以下のライブ配信体験用アカウントをご利用ください。

  • N20 標準版:guest@tevofy.com
  • N40 サブライム版:guest401@tevofy.com
  • N40 標準版:guest402@tevofy.com
    パスワードはいずれも:getmuroboxnow

(4) リモート操作手順:

  • 完成した MIDI ファイルをスマホのアプリに取り込み、楽曲を選択
  • 配信画面のスピーカーアイコンをオンにして音声を聴く
  • 実際の演奏には数秒の遅延が発生しますので、少々お待ちください

MIDI ファイル配布サイトの紹介

musescore.com以外にも、音楽ジャンル(クラシック、ポップ、ゲーム音楽)に応じて、海外の音楽制作者や教育系クリエイターに広く使われている MIDI 配布サイトはいくつかあります:

1. Kunstderfuge(クラシック音楽)
ネット上で最も充実したクラシック MIDI ライブラリです。

  • 特徴:バッハやベートーヴェンなど巨匠の対位法作品も含め、非常に網羅的な収録内容
  • 利点:ファイル品質が非常に高く、オルゴール制作に最適
  • 注意:無料ユーザーは1日あたりのダウンロード回数に制限あり

2. BitMidi(レトロ/懐かし系)
モダンで洗練されたインターフェースを持つ、MIDI 検索エンジンのようなサイト。

  • 特徴:11万以上のファイルを収録、初期ゲーム音楽から90年代のポップスまで幅広く網羅
  • 利点:完全無料で、ダウンロード前にウェブ上で試聴可能

3. VGMusic(おすすめ:ゲーム音楽)
任天堂や PlayStation などの名作ゲーム音楽を探すならここ!

  • 特徴:「ビデオゲーム音楽(Video Game Music)」専門
  • 利点:ゲーム機別に細かく分類され、愛好家による高精度な MIDI が多数

4. MidiWorld
長年運営されている、安定感のある老舗サイト。

  • 特徴:ポップス、ロック、ジャズ、クラシックなどシンプルな分類
  • 利点:完全無料。インターフェースは古めだが、ファイルの読み込み速度が非常に速い

MuseScore 楽譜作成の参考資料(英語)

楽譜スキャンソフトのおすすめ:Halbestunde

紙の楽譜をデジタル形式(MusicXML)に変換したい方に向けて、こちらは Siegfried 氏が現在おすすめしているソフトです。

  • 購入プラットフォーム:MuseHub – Halbestunde Sheet Music Scanner
  • メリット:買い切り型(One-time purchase)。月額課金不要で利用できる数少ない楽譜スキャンソフトです。
  •  価格の目安:定価は約35ユーロ(ブラックフライデー時には約25ユーロまで下がったこともあり)、他のソフト(150ユーロ前後)と比べると非常にお得です。
  • 使用上の前提条件:ソフトは写真の品質に依存するため、事前に「楽譜写真の前処理」を行うことで、MusicXMLへの変換精度を高める必要があります。
  • ⚠️ プラットフォーム利用時のご注意:MuseHub(MuseHub.com)は音楽関連リソースとして興味深いプラットフォームですが、決済まわりには十分な注意が必要です。
  • ウォレット(Wallet)は使用しないこと:MuseHub のウォレットにお金を入金しないでください。
  • 資金リスク:ウォレットに入れた残高は基本的に返金不可で、主に「投げ銭」や「特殊音色の購入」にしか使えません。楽譜作成・改編用途のユーザーにとっては、実用性はほぼありません。
  • 推奨方法:ソフト購入時は、ウォレットを経由せず、直接決済ツールで支払いましょう。
  • デジタル変換は決して完璧ではありません:紙の楽譜のスキャンや MIDI ファイルの変換において、デジタル変換が 100% 完璧に成されることはありません。コンピューターによる変換後には、リズムのズレや誤植、レイアウトの乱れなどのエラーが発生することもあります。
  • 楽譜の知識がある方のみ推奨:変換後のデータには修正作業が必要になるため、本手順は五線譜の基礎知識がある方を対象としています。音楽の知識が全くない初心者の方にとって、自動変換によって生じたエラーを修正する作業は非常に負担が大きくなります。